※最終更新日 2022年12月29日
前回まで、近くの場所に飛び込む練習をおこなってきましたが、少しずつ飛び込む距離を伸ばして行きたいと思います。
これまでの練習で、基礎的な動きがしっかりできるようになっていると思いますので、今回は遠くに飛ぶためのポイントを重点的に解説していきたいと思います。
既にスタートができる方で「もっと遠くに飛びたい」と思っている方にも参考になる練習方法になりますので、ご覧いただければと思います。
※注意 現在の所、一般の方が飛び込みできるプールとして、国際基準の競泳プールでの練習が主流で、水深が2m以上あるはずです。この記事についても国際基準の競泳プールでの練習方法として解説させて頂いている事をご了承ください。
第3段階では、手を両足の横に置いた状態でのスタート練習を行います。まだ両足を揃えての飛び込みですが、だいぶ大会でのスタートに近づいてきましたね。(このスタートは実際に大会でも使えます。)
ここではスタートA,B,C,Dの4種類を解説して行きますが、「A」ができた後はいきなり「D」を練習してみてください。それが難しいと感じた方、飛び込みの形が崩れてしまう方は、「B」の練習からおこなっていただければと思います。
前を向いて構えます。あまり前を見過ぎてしまうと腰が落ちてしまうので、上目遣いで前が見えていればOKです。無理はせす、リラックスして構えられるような状態がベストです。
スタートの号砲と共に腕を前に伸ばし体を倒して行きます。前回と同様に、入水直前に頭を入れて腕に挟み込んで飛び込み、足が曲がらないように気をつけましょう。
この時点で空中姿勢が崩れてしまうと、スタート台からの飛び込みでも綺麗に飛び込めなくなると管理人は感じています。
水泳は4種目を覚える時もそうですが、何かをできるようになってすぐに次の課題に向かっても課題をクリアした時に前回の課題が疎かになってしまっている場合が多いです。「綺麗な飛び込みの形がくせになった」と思えるくらいまで繰り返し練習していただければと思います。
綺麗にできるようになった方は「A」の練習をスタート台の上からおこないましょう。
構えの段階で顎を引き、股の間から後方が見えるように「頭を入れて」構えます。スタートの号砲と共に顔を上げ前を向きます。同時に腕を前に伸ばし、前回同様の位置で腕を止めます。腕と同時に体を起こすと勢いがつきますので、このアニメーションよりも上体が起きるのは悪い事ではありません。ただし、水平よりも体が起きないように気をつけましょう。
腕と同時に体を起こすと、勢いで体が前に倒れやすくなるので、スネが水面と並行になった所で蹴り出し、すぐに頭を入れて後頭部を両腕で挟みストリームラインの形を取ります。
「スネが水面と並行になる」場所は飛び込んでいる本人はわかりにくいので、複数人での練習でアドバイスをし合いながら練習していただければと思います。
綺麗にできるようになった方は「B」をスタート台の上からおこないましょう。
「B」をスタート台の上から綺麗にできるようになったら、また「D」を練習します。「C」の練習に関しては、スタートの号砲で体を起こす角度を「B」から「D」に徐々に大きくしていく過程の練習になります。
体を起こした時、できるだけ背中がまっすぐになっているように気をつけます。(理由はDで解説します)
少しずつ前を向く時間が長くなり、「B」は腕で後頭部を挟むのは36コマ目ですが、「C」では37コマ目になるのがわかると思います。
「D」では完全に水平まで上半身を起こします。競技でのスタートではこの練習のようなゆったりな動作ではありませんので、水平まで体を一瞬で上げるのは難しくなります。ここでできるだけ大きい動きをしておく事で、素早い動作でもなるべく大きな動きができるように練習して行きます。
以下の動画を見ていただくと、このアニメでは弧を描いて飛び込んでいるように見えますが、実際には蹴り出しが斜め上に向いているだけで、上半身は水平から落下しているというのがわかります。
つまり、うまく飛び込みができない場合には、上半身の動きと下半身の動きに分けられるので、水平を意識して、別々に理想の動きを練習して行けばいいということになります。
実際、管理人の娘も「D」の練習では上半身が持ち上がらなかったので、以下の動画のように腕振りから飛び込む練習を行いました。
下半身の動きとしては、スネ(膝から下)が水平になってから蹴り出しているかを確認できればいいので、蹴り出しが早いか遅いかを第三者に見てもらう事で、理想のタイミングを掴む事はそれほど難しくないと感じています。なにより、スネが水平になる練習はこれまでの練習で毎回気をつけてきましたので、かなり上手くできるようになっていると思います。
注意点としては、体を起こした時に背中が丸くならないように気をつけます。背中が丸いと壁を蹴る力が上半身に吸収されてしまい遠くに飛ぶ事ができません。垂直跳びで背中が丸いまま跳ぶ人はいませんので、1cmでもより遠くに飛ぶ事を考えれば、腰がしっかりと入るくらい背中をまっすぐにして、槍を前に飛ばすようなイメージで飛びましょう。
年齢を重ねていくと背中の柔軟性がなくなってきますので、日頃のストレッチは重要です。自宅でバスタオルを丸めて床に置き、そこに寝転がるだけでも違ってくると思います。ストレッチ効果を求めるようでしたら、柔らかめのストレッチポールなどを使って柔軟性を高めていただければと思います。
スタート台の上で足を前後に開きますが、蹴り出しのタイミングは両足共ほぼ同時になります。バックプレートを一番後ろにした場合は変わってきますが、小学生や女性、マスターズ選手は「飛び込みの簡単な原理」で解説したように片足での飛び込みでは遠くに飛べませんので、一番前に設置して両足で蹴り出します。足の開きが小さいので、管理人の体感として両足を揃えた飛び込みと変わりない感覚で飛び込めます。
水泳 飛び込みの簡単な原理
前後に足を開くことで体がふらつかず安定し、体を起こすのも腰が後方に下がるので素早く行う事ができるので、両足を揃えたスタートよりもやりやすく感じます。両足での飛び込みが綺麗にできるようになれば、それほど大きな違いはないので、「A」のスタートが綺麗にできるようであれば、この段階から足を前後に開いた練習をおこなっていただいていいと思います。
最終的に「水泳 飛び込みの簡単な原理」で解説した、飛び出す直前に上半身とスネが水平で膝が90度に曲がっている事が「理想の形である」と言う事がわかっていただけたのではないかと思います。
皆さんが綺麗な飛び込みができるようになる事を願っています。効果が出たという方はぜひぜひコメントいただければと思います。
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