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水泳 ストリームライン 泳ぐ姿勢はイメージで変わる!

※最終更新日 2022年3月10日

皆さんも水中での姿勢が大切なのは十分にお分かりだと思いますが、ご自身が「抵抗のない綺麗なストリームラインができているかどうかわからない。」という方は多いのではないでしょうか。

そこで、水の中では人間の姿勢がどうなりやすいのか、良い(理想の)ストリームラインを保つためにはどんな所に気をつければ良いのかを解説した後、各種目毎に気をつけたいポイントについても解説させていただきたいと思います。

知っていても意外とできていない方は多いです。今でも管理人は月に数回、気づいた時に下向き、上向きの蹴伸びをしますが、いつもより距離が出ない場合には繰り返し練習するようにしています。

ストリームライン 陸上と水中の違い

ストリームラインを陸上で練習しようとすると、体のどこかが床に着いているので支点ができます。

立位の場合 背伸びをしても足が動きませんが、実際には足は後に動こうとしているので水中では自然に体が反ります。

ストリームライン 立位

うつ伏せの場合 前後に手足を伸ばそうとすると手の指先、足先が浮いてしまいます。この時、お腹が床に支えられているのがわかると思います。

ストリームライン うつ伏せ

仰向けの場合 手の指先、踵が床に着いて強く押されていませんか?

ストリームライン 仰向け

このように実際にやってみると体を伸ばす動作は人間にとって「体が反りやすい動き」である訳です。意外とストリームラインはプールの中で立って練習する場合が多かったりします。この時に意識して体が反らないように練習することが大切です。

水中に体を浮かせた時は重力でお腹付近が1番下がりますので、そうならないように壁に背中から腰までべったりと張り付くような姿勢を取ります。足は少し前に出して構いません。このように陸上練習時は少しくの字になる方が水に浮いた時と(力の入れ方が)近い感覚を持つことができます。

ストリームライン 壁を使って

また、陸上では足首が曲っていますが水に浮いた時には足首を伸ばします。足首を伸ばすと体も反りやすくなるので陸上での練習以上にくの字の意識を持つ必要がある事も覚えておいていただければと思います。

クロールの良いストリームライン

クロール時、初級者の頃は前の人にぶつからないようにしっかりと前を見て泳ぐ方が多いように思いますが、この前を見るという姿勢が「体を反りやすくする原因」になります。

立位で手を上に伸ばし、天井を見てみてください。この姿勢を続けるだけで結構きつくないですか?皆さん、その状態で泳がれてしまっている訳です。(画像A)

ストリームライン 立位比較

心当たりがある場合には、少し頭を下げて(下を向いて)泳いでみましょう。立位の状態であれば、画像Bのように天井が上目使いで見えていれば良い訳です。もっとできる方は前の方の気配(水圧や泡を感じれば近くに泳いでいる人がいる)を感じる事ができるので、ほぼ頭を下げて泳ぎます。

前の方の体の一部が少しでも視界に入れば良いわけですし、下を向くことで腰が浮きやすくなるので、できるだけ顎を引いて泳ぎましょう。

平泳ぎの良いストリームライン

平泳ぎ時もクロール同様、前を見続けてしまう方が多いです。ですのでストロークでは、ご自身が手を1番広げた状態になるまで頭は下向きの状態で泳ぎます。下を向いて前が見えない状態でストリームラインの形をとっても平泳ぎは毎回呼吸ですから、前との距離はわかりやすいので、1番体を真っ直ぐに保ちやすい泳ぎであると管理人は考えています。

また、大人のキックは以下のアニメーションAのように真後ろに蹴り出して、足が揃った時に体が反ってしまい、水面近くに上がってきてしまっている場合が多いです。

平泳ぎ キックの教え方・泳ぎ方」で解説したように下向きにキックを打つようにすると腰が上がりやすくなります。アニメーションAのような真後ろに蹴るような泳ぎですと、ストロークを始めると同時にドルフィンキックを無意識に打つようになってしまいます。

 

基本的にドルフィンを打ってしまう方は体が反っている場合が多いので、下向きのキックを心がけましょう。また、下向きに蹴って足が揃った後、わざわざ足を持ち上げる必要はありません。最初に解説した通り、水泳の姿勢は腰が沈みやすいので反動で自然に足が水面に持ち上がってきます。そこで油断してしまうと体がまた反ってしまうので、足が水面近くまで上がり過ぎないように気をつけましょう。管理人は下向きに蹴った足をそのままその位置に留めておくようなイメージで泳いでいます。(それでも足は自然に上がってきます。)

 

背泳ぎの良いストリームライン

背泳ぎ時は基本的に指導で「お腹や胸を張る」ように教えられるので、足が落ちて(沈んで)しまう場合が多いです。意外にこの沈んだキックのままでスイムに移行してしまう場合が多いのですが、できればキックでしっかりと足が浮かぶようになってからストロークを動かすようにしてもらいたいと思っています。

ストリームライン 良くない仰向け姿勢

気をつけキック」で足が沈まなくなったら「手を前に伸ばしたクライドキック」、足が沈まなくなったら「交互に手を前に伸ばしてキック」、足が沈まなくなったら以下のアニメーションのように「入水地点とフィニッシュ地点で手を止め交互にストローク」します。

焦って腕を回してしまうと、「足が沈む癖がつき、なかなか足を浮かせられない」+「ストロークの腕が曲って見栄えが悪い」という悪循環になるので、コツコツと積み重ねて行ってもらいたいです。

バタフライの良いストリームライン

バタフライの場合も入水後に深く潜り過ぎてしまうという方以外はしっかり下を向いて入水します。ただ、深く潜り過ぎてしまう方も前を見てしまうとクロールの時よりも腰が反ってしまうので、「バタフライ 2年半継続のストレッチ効果と気付きについて」で解説したように入水後に腕を水面に近づけて行くように気をつけていただければと思います。

トップスイマーではずっと前を向いているという選手も多いですが(以下のYoutube動画)、それは「25mを15秒程度で泳げるスピードがついてからの話」で、「25mを泳ぐ事」を目標としている方が前を向いたまま泳いでしまうと体が反ってしまいます。

 

平泳ぎ同様、バタフライのストロークではご自身が手を1番広げた状態になるまで下を向いて(上目遣いで)泳ぎます。下を向いて泳ぐクロール、平泳ぎ、バタフライの3種目は頭を上げると腰が反りやすいので、できるだけ下を向いている時間を長くして行きましょう。

バタフライも平泳ぎ同様、呼吸するたびに前を向く事ができるので、「バタフライ 抵抗のない泳ぎ方とは?」で解説したように胸を反らず綺麗なストリームラインで抵抗を抑え、スピードを持続しながら泳いで行きましょう!

Youtubeでも解説させていただいております。