※最終更新日 2020年8月20日
今回は、実際の泳ぎにすぐに使う事が出来るスカーリング技術習得のための動画です。スカーリングと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、フロントスカーリングと言われる体を水平にしてのスカーリングですが、実際にこれを泳ぎのどこに使えばいいのか(使われるのか)、よくわからない方が多いのではないでしょうか。
そこで、今回はクロールのローリング姿勢を作った状態での実践的なスカーリング練習を
1. スカーリングの基本形(水平方向へのスカーリング)
2. スカーリングを肘を支点に回す
3. スカーリングを4種目に応用する
の3つのポイントに分けて解説していきたいと思います。
以下の動画は、娘にスカーリングを初めて教えた時の映像で、良くない形のスカーリング例です。最近平泳ぎのストロークでドルフィンキックをするいわゆる「ドルブレ」というドリル練習をしているのですが、スカーリングがそれほど上手くないにも関わらず体が持ち上がるようになってきたので、水を掴む感覚が出来上がってきていると感じ、そろそろ手首の動きを教えてもいいのかなと練習を開始しました。
娘は手首が上に反ってしまう癖があるのですが、水平方向へのスカーリングを練習すると、このように水を撫でるような動きになってしまっていました。ただ、基本的に水泳をおこなっている方の多くはこのように手首が反ってしまっているので、非常にいいモデルになっていると思います。まずは肘を固定して左右に水平に手を動かしてスカーリングしてみましょう。
やり方としては、以下のアニメーションAのように体をクロールのローリングした位置に固定します。この姿勢を維持するために、プルブイを使ってキックを打たずにおこなってみましょう。この時、体が弓なりにならないようにすることが重要です。プルブイがない場合には軽くキックをしながら沈まないようにおこなってみましょう。10m程度進んだら、苦しくなる前に立ち上がり繰り返しおこないましょう。
手の動きとしては、肘がなるべく動かないようにしながら、6〜8,18〜20コマ目の手が黄色くなっている部分のように小指側が大きく円を描くようにします。滑らかな動きが必要になってくるので、手首の力を抜いておこなっていただければと思います。
水平方向へのスカーリングができるようになったら、アウトスイープをおこなった後の6コマ目以降、少し深いところまで前腕を動かします。アウトスイープの最後から、小指側が円を描くようにプールの底に向かって動いていきます。この時、小指側に水がひっかけるような意識をしていただくと、スカーリングで水を掴む感覚が養われます。
もちろん肘は固定したままですが、この動きをすると勝手にハイエルボーを作る事ができます。ここから手を前に戻していくわけですが、手の平を上向きにして戻します。前に戻しながら手を下に向け、そのままスライドさせて次のスカーリングに向かいます。これが一連の動きになります。
以下は娘の映像ですが、初めて練習をおこなったその日にはこのようなスカーリングができるようになりました。ただ、最初のうちは手がうまく前に戻せなかったりするので、どなたかにこのスカーリング映像を見ていただいて、映像通りにできているかを見ていただくようにしていただければと思います。
一度できてしまうとそれを繰り返すだけですが、変な癖がついてしまうとそれを直すのも大変ですので、第三者もしくはコーチにしっかりと見ていただきましょう。その時上手くできたとしても、スカーリングを定着させるまでが練習になりますがので、何度も練習しながら確認していただければと思います。
実はこのスカーリングは4種目全てで使われています。使われている場所を一つ一つアニメーションで確認してみましょう。まずクロールは入水後の1〜8コマ目まで。背泳ぎはこのスカーリングを真横を向いて行うと入水後の1〜7コマ目までほぼ同じ軌跡を辿ります。体はそのままの状態で上を向いてスカーリング動作を練習する事も可能です。この時、水面から手が@出ないように若干深い位置で練習しましょう。
バタフライは6〜8コマ目のキャッチ付近、そして平泳ぎにいたってはこのスカーリングとほぼ同じ軌跡をストロークします。(アニメーション左上の「7」は、水泳で最も水を掴む為に大切なキャッチ付近の7コマ目に止まるボタンです。)
なかなか言葉で表すのは難しいので、アニメーションや動画をよく見ていただいて、6〜8コマ目のキャッチ部分で「水を掴む」感覚を養っていただき、スイムに活かしていっていただければと思います。
今回は、すぐにご自分の泳ぎに使える実践的なスカーリング技術について解説させていただきました。このスカーリングを覚えた娘はとても進むようになり、気に入ったのか楽しそうに何度も練習しておりました。自分で思っている以上の効果が出ると新しい水の感覚を感じられて練習も楽しくなりますので、皆さんもそのような練習を見つけておこなっていただければと思います。
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