※最終更新日 2020年8月6日
スタート解説のラストはドルフィンキックを使ったクロールのスタートについてです。このスタートは、中級者以上の方にオススメするスタートで、25mのキック(ドルフィン・バタ足)が20秒以内で泳げる方が対象となります。また、トップスイマーのように深く潜って12.5m程度まで水中を進んでいくのであればキックだけで25mを15秒程度で泳げるようになってから練習することをおすすめいたします。
キックのスピードがないままこのスタートを練習してしまうと、浮き上がりが遅くなるので、せっかく壁を蹴ったスピードを活かす事が出来ません。その場合は「スタートが上手ければ泳ぎも上手くなる」で解説させていただいたスタートをまず練習していただければと思います。
このスタートのポイントとして、今回は以下の2点について解説して行きたいと思います。また、最後に水の中での動き(3点目)についても解説させていただいています。
1.最初のドルフィンキックを大きく行う
2.浮き上がりの形と姿勢に気をつける
3.水の中での動作は全て泳ぎに繋がっている
なぜこのスタートの解説を最後に持ってきたかといいますと、「バサロでドルフィンキックのレベルを向上する」で解説したように、最初のドルフィンキックを大きくおこなう事でうねりのきっかけを作り出し、そのうねりを2回目以降に繋げていく事で、エネルギーをあまり使わずに浮き上がれるようになっていただきたいという理由があり、前回の「平泳ぎのひと掻きひと蹴りでバタフライがうまくなる」にて解説させていただいた、ひと掻きする前のドルフィンキックを応用することができるからです。
映像をよく見ると、最初のドルフィンキック時にひと掻きひと蹴りと同様、手が大きく上下しているのが分かると思います。エネルギーを使わないという事は、呼吸もあまり苦しくならずに長く潜り続ける事もできますので、その分ストローク回数が減り省エネルギーに繋がるわけです。
水泳は平泳ぎ以外はストロークで7割の力を使うと言われていますが、楽に潜り続ける事ができれば泳ぐ距離が減るので、その分のストローク数が減りエネルギーを使わずに済みます。競泳でバサロスタートが15mに制限された理由は泳ぎよりもキックだけの方が速度が出るからで、ストロークをしない方がスピードが上がるならば、なるべくドルフィンキックを使っていく方がエネルギーの節約になりますし、潜る時間が長く「す〜っと」浮き上がってくると、それだけでかなりの上級者に見えてしまいます。
管理人も「2000mバタフライ」の動画で全てのターンで4回キックを打って10m程度で浮き上がっていますので、詳しくは、この動画や「バサロでドルフィンキックのレベルを向上する」を見ていただいて、ドルフィンキックを楽に遠くまで潜れるようにコツコツと練習していただければと思います。