Swimming.jp

Swimming.jp バタフライ Technique

バタフライ トップスイマーのストロークとリカバリー

※最終更新日 2020年4月16日

日本女子トップアスリート(以下アスリート)のバタフライを3D化したので解説していきたいと思います。今回はストロークとリカバリーについてです。

尚、3D化するにあたり2つのアニメーションを作成いたしました。1つはストロークの軌跡がわかりやすいようにコマ数の多いアニメーション(L=24コマ)で、解説向けに作成。もう1つはコマ数を減らして泳ぎの実際の速度に合わせたアニメーション(S=16コマ)で、全体的な泳ぎのリズムを掴むためのアニメーションとして、この記事の最下部に表示していますので参考にしてください。(アニメーションSを見たい方はこちら)

ストロークの分析

以下のアニメーション(L)を見ていただきたいのですが、アスリートのストロークは、まず入水(1コマ目)はに手のひらが下を向いていますが、その後、ハイエルボーの形を取る場所(4コマ目)まで親指を真下に向けながらアウトスイープする形で進んでいきます。これによってか手に付いている泡が切れ、キャッチ付近(6コマ目)ではまったく泡を掴んでいません。

 

男子選手であれば、入水後縦にハイエルボーをする形になる方が多いので、上から押さえつけるような形になってしまい泡が切れにくくなってしまう事が多いです。(中にはとてもうまく泡を切る選手もいます。)

また、キャッチ後のインスイープでは、手が内側をほとんど向かずに水を切るような形で体の中心に手を寄せて行き、ストロークが肩の真下に来た時(9コマ目)に若干内側を向くだけです。これは、管理人の想像でしかないのですが、以下のアニメーションBのように、キャッチで水をしっかりと捉え、その水を無理に後ろに押すのではなくスカーリングをうまく使って押さえる事ができているので、速い人ほど後ろに水を押す幅が小さく前に進んで行っていると考えています。

 

この辺の説明はなかなか難しいのですが、管理人もインスイープが始まったアニメーション(L)の6コマ目から10コマ目はスカーリングに頼った水を切るような動きでストロークスピードを増していき、力を使わずに(後ろに無理に押さず)12コマ目までストロークした後、13、14コマ目のフィニッシュで水を後ろに押して行くようなイメージで現役時代ストロークをおこなっておりました。ただ、フィニッシュは無理に押すのではなく200m泳ぐなら200m同じ力で押し続けられる程度の距離に合わせた力を使います。ちなみに、このアスリートのフィニッシュは、しっかり後ろに押しているというよりは、手のひらを若干内側に向けてうまく抜いているような形になっています。

もう一つ特徴的なのは、このアスリートに限らずバタフライのトップスイマーのほとんどは、キャッチからフィニッシュ(7〜12コマ目)まで手が若干プールの底を向き水を撫でているような動きをしています。これはボディーポジションを高いまま維持するための技術であると思われます。

アスリートのリカバリーはフィニッシュの反動によって非常に高く持ち上がりますが、無理に高く上げているつもりでは全くなく、肩の柔らかさによってこの位置まで上がってきてしまいます。つまり、私達が気を付けるべきポイントは、「入水までに体が沈まないうちに素早く戻す」意識が必要で、うまくフィニッシュの反動を使って無駄な力を使わずにスムーズな腕の回転ができるようなリカバリーを目指していく事が重要です。

以下のアニメーションはコマ数が多いと処理が追いつかず遅くなってしまうので、コマ数を少し落として実際のアスリートの泳ぎの速度に合わせたものです。こちらは、全体的な泳ぎのリズムを掴むためのアニメーションとして作成しましたので参考にしてください。

 

Youtubeでも解説させていただいております。

 

おすすめ記事 バタフライを楽に泳ぐ「4ステップ」の泳ぎ方

おすすめ記事 うねりの大きいバタフライを推奨する理由(前編)