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平泳ぎを速く泳ぐコツ(中上級者向け)

※最終更新日 2020年2月20日

平泳ぎを速く泳ぐコツ(中上級者向け)

今回は25m平泳ぎを30秒以内で泳げる方向けに、速く綺麗に泳ぐためのボディーポジションについて解説させていただきたいと思います。

まず、中級者(A)とアスリート(B)のアニメーションを比較してみましょう。

 

私がプールを見ていると、マスターズ大会に出るような方でもお尻のあたりに重心が来ている方が多く、中級者(A)のアニメーションのようにシーソーのような泳ぎをする方をよく見かけます。

一見、効率が良さそうに見えるこの泳ぎですが、アスリートと一体何が違っていて何が足りないのかを泳ぎの比較をしながら解説させていただきたいと思います。

1.フィニッシュ時に手を止めない

中級者(A)のアニメーションを見ていただくと、フィニッシュ時(13、14コマ目)に手が止まっている事がわかると思います。ここで手が止まってしまう方は本当に多く、重心が後ろ側にある事が主な原因です。

重心が後ろ側にあると意識をしながら素早く手を前に出していかなければならず、初めのうちは気をつけていたとしてもなかなかそれを維持する事が難しかったりします。ただ、これは次からの項目に気をつける事でクリアする事ができます。

2.体を素早く前に倒す

以下のアニメーションを見ていただくとわかる通り、中級者(A)は上半身だけを持ち上げようとしているため、腰が低い状態が続いてしまっています。「水を押し出す幅」ボタンをクリックしていただくと、上半身で水を押す幅の違いがお分かりになると思います。

 

体が水平になるまでの時間を比べると、中級者(A)は12〜22コマ目までの10コマかかるのに対しアスリート(B)は12〜16コマ目の4コマで体を前に倒しています。中級者(A)は上腕も沈んでいる為、上半身にプラスしてリカバリーの手を前に出していく際にも抵抗になってしまっています。

また、アスリート(B)はフィニッシュ時に手が止まっていない事がわかると思いますが、実は止まっていないのではなく止められないというのが本当のところで、ストロークの際に体全体を持ち上げる事で重心を前に保っています。

この前のめりの姿勢は、陸上で歩行している時につまづいた時の「おっとっと」となるような姿勢と同じで、反射的に前に手が出るような形を作っている訳です。

3.前のめりの姿勢でうねりを作り出す

以下のアニメーションは、うねりの動作を直線(体の軸)で表したものです。(A)、(B)が小さく見にくい為、アスリートのうねり(B’)を拡大して表示しました。

 

アスリート(B)の重心は上下動しており、ストロークで持ち上げられた腰が高い位置からキックを蹴りおろしているのがわかると思います。

中級者(A)のように腰が沈んでいては、重力と浮力がお互いの力を相殺してしまい、上半身で水を前に押し出してしまうので、うねりを作り出す事ができず、せっかく地球の持つエネルギー(重力)の恩恵を受ける事ができません。

クジラが水面から体を沈めて行く時、必ず尾ひれが水面に出てくるように(18コマ目)、体を前傾する事が効率よく推進力を得る為に重要な要素となっていることをご理解いただけるのではないでしょうか。

平泳ぎを速く泳ぐコツ(中上級者向け)

4.リカバリーはフィニッシュの位置から直線的におこなう。

中級者(A)のアニメーションのように、体が沈んでいる状態でリカバリー時に手を無理に上げてしまう方が見られますが、そうする事で余計な力を使ってしまいます。

また、アスリート(B)の泳ぎでは、16コマ目の蹴り出しの際にはすでに体が水平なっていますが、中級者(A)のように無理に手を上に持ち上げてしまうと、体を速く水平にした方がいいにもかかわらず、逆にそれを遅くするための動作を付け加えてしまっている事になります。

つまり、アスリート(B)は水の上に手を出したくて出しているのではなく、ボディーポジションが高いが故に「水面上に出てしまっている」訳で、腕を持ち上げている方は今すぐやめて体全体を持ち上げる意識を持っていただければと思います。

泳ぎと頭の中のイメージの違い

管理人は泳いでいる際に、以下のようなイメージを持って泳いでいます。

 

・3コマ目はできるだけ腕を水面ギリギリまで上げてハイエルボーを作りやすくしたい。(肩が固いのでそこまで上がらないのは分かっているので意識的に水面から出すようにイメージ。)
・7〜12コマ目までストロークを加速し、体幹を意識して体全体を持ち上げたい。(陸上で転びそうになった時のような前のめりの姿勢を保ちます。)
・16コマ目で、できるだけ高い位置からキックを蹴りおろしたい。(ストロークだけではイメージの場所まで腰は上がらないのは分かっていますが、少しでも高くできるようにイメージ。)
・速く泳ぐ時にはあまり深く潜らないようにキックを蹴り出し始めた直後(17コマ目)から水平を意識。

このように、ご自分の体に合った意識を持つ事が重要になってくるので、綺麗に速く泳ぎたい場合にはよくない癖が付く前にプライベートレッスンを受ける事をお勧めしたいと思います。(癖が付くとフォーム矯正には時間がかかります。)次回は、実際に体全体を持ち上げる為のドリル練習を解説させていただきたいと思っています。

Youtubeでも解説させていただいております。

 

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