Swimming.jp

Swimming.jp バタフライ Technique

大人水泳(7.水泳というスポーツとは?)

※最終更新日 2020年11月14日

水泳をやった事がある方ならお分かりだと思いますが、最初のうちはクロールでもそうですし、4泳法をできるようになった際でもバタフライを25m泳ぐと息切れしてしまいます。水泳はメディアで取り上げられる際には競技(競泳)として放映されているので、無意識に息切れするのが当然のように皆さんに擦り込まれているのかもしれません。

ですが、実際にはプールに入るだけでも体温調整をしようと体の保温機能が働きますし、水の上で浮かぶだけでも無重力に近い状態が日々体に掛かっているストレスを除去する事ができます。他にも水の音によるヒーリング効果や水圧によるマッサージ効果も得られ、人体に多彩なリラックス効果を与えられる場所です。

泳ぎにしても、バタフライで1000m以上泳げるという事は息切れするほどの力は必要なく、水の力を借りたうねりだけをうまく使うだけで前に進んでいく事ができます。

以下に紹介する三嶋恵子さんは、「力が入った蹴伸びではいい泳ぎができない。」という事で、一般的な泳法指導で最初に教える蹴伸びを行わなず、「その場にリラックスにして浮く」所から指導をするそうです。もし、身近にこのようなリラックスを意識した疲れのない泳ぎの指導をされる方がいらっしゃいましたら掲載させていただきますので、ぜひ紹介いただきたいと思います。

■三嶋式ウォーターヒーリング
私が「ウォーターヒーリングスイム」を始めたキッカケは、ある障がいを持たれたお子様への水泳指導に対する疑問からでした。当時の職場(スイミングスクール)で、その生徒がバランスの悪い補助をされて“もがいている”のに、同僚であるコーチは全く気付かなかったのです。どうして同じ人間なのに気付かないのだろう。結局それは、コーチ個人の問題ではなく、水泳指導全体の問題だとすぐに気付きました。一般的な水泳指導は「競泳」を基本として、「短距離の競争力」「頑張る精神」「協調性」などを指導します。スムーズに習得できるのは、肩甲骨と足首の柔軟性があり、運動能力にすぐれた人。それに対して、ウォーターヒーリングスイムは泳ぐことを楽しむ、そして泳げることで水中の遊びの幅を広げたい万人向き。「長距離スイム法」であり「自由な全身性」「泳ぎながら整体」「個性の尊重」そして「サバイバル」です。この「サバイバル」に関しては、競泳クラスの生徒たちが、壁のないところでUターンできなかったことから、強く必要性を感じているものです。大切にしているポイントは「無意識な動きが鍵」「筋肉重視から骨への関心」「重力・浮力への思い込みを解く」「水への感性」です。理屈やルールを飛び越えて、自分自身の身体(心)と向き合える、この水泳という素晴らしい「体育」を通して、たくさんの人が水とたわむれ、人生を豊かにして欲しいと願っています。

三嶋恵子さんプロフィール

このような水の効果をもっと有効利用した多彩なプログラムが今後出てくる事が期待できる水泳をもっと広めて行きたいですね。

泳法習得は習字に似ている?

泳法習得について、皆さんはどうお考えでしょうか。私は字を書く事に似ていると思っています。

「字を書く」には、見て真似をするだけで簡単に書く事が可能です。それと同じで、水中で遊べる程度に水に慣れていて呼吸のコツさえ分かっていれば25m泳ぐ事はさほど難しい事ではありません。実際に泳いでいる方でも「ココを直せば良くなる」など簡単に考えている方が多いのではないでしょうか。

ですが、綺麗に字を書くには練習しなければなりません。綺麗な文字をなぞり、きちんと見て清書する。それでも、子どもの頃覚えたての字を丁寧に書いていないと字体がすぐに崩れてきます。崩れた字をそのままにしておくと癖になり、直そうとしてもなかなか思うようにいきません。それと同じで、綺麗に泳ぐためには綺麗な泳ぎを見てストロークをなぞります。

ここで習字との相違点が一つでてきます。字は目で見て直す事ができますが、自分の泳ぎは自分では見えませんので、それをイメージで補わなければなりません。つまり、目をつぶって綺麗な字を書こうとしているに等しい訳です。自分が直したと思った所が次の日に正確にできているかを確かめる事は1人ではできません。そして崩れた事が分からないまま癖になって直すのが難しくなって行ってしまうのです。

水泳はフォーム(形)だけではなく、各所のストロークスピード、ストロークとキックのタイミング、腹筋を使ったストリームラインなど、「全てが連携して」初めて綺麗な泳ぎができていきます。

結局、第三者の目が必ず必要でマンツーマンでのアドバイスがなければ、泳ぐ事は簡単でも綺麗に泳ぐ事はなかなか難しい事がわかっていただけるのではないでしょうか。

ただ、楽で綺麗な泳ぎは全ての人が可能な泳ぎであると思っています。年齢が高くても、小さなお子さんでも、習得までの時間に個人差はあれど必ずできると管理人は考えています。いままでできないと思った生徒さんはいませんでしたし、苦しい、難しいと思っても、方法を変えチャレンジし続ける事で形が出来上がっていきます。それをできるのが水泳というスポーツの魅力でもあります。

是非、ご自身の身近に信頼できる指導者を見つけていただき、アドバイスを受ける事をお勧めしたいと思います。

SWAVEでの指導者検索はこちらから

大人水泳関連リンク

大人水泳 (1.何のために泳ぎますか?)
大人水泳 (2.前面抵抗を減らす)
大人水泳 (3.重力・浮力を最大限に使う。)
大人水泳 (4.体の動きの連動)
大人水泳 (5.最小限の力で進む)
大人水泳 (6.選手との違いを理解する[速く泳ぐ場合も同様])
大人水泳 (7.水泳というスポーツとは?)