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Swimming.jp クロール Technique

クロール 速く泳ぐ際の呼吸のタイミング

※最終更新日 2021年6月10日

前回まで、楽に泳ぐための息継ぎについて解説してきましたが、レベルが上がり泳ぐスピードが上がって行っても同じタイミングで呼吸するのかを解説していきたいと思います。

ピッチが速くなると呼吸が遅れやすい

結論としては少し違いがあり、個々の腕を回す速度(ピッチ)と泳速によって変わってきます。ある程度ピッチが遅い方であればローリングと共に頭を固定して呼吸する事もできますが、ピッチが速い方というのはストロークの速度も速いので、同じにしようと思っても頭がワンテンポ遅れて動く形になってしまいがちです。

実際、管理人の娘がそうでして、呼吸の時だけピッチが落ちてしまい、3ストローク中1回呼吸のリズムが「タン、タン、ターン」と左呼吸の時だけ遅くなっていました。頭を上げるタイミングが少しだけ遅れ気味になってしまうんです。遅過ぎるのではなく、ほんの少しです。

今まで速く泳いだ事がない状態ですから、呼吸の長さを短くするイメージもないので、頭を水中に戻す動作はもっと遅れます。つまり、初動が遅くなった事で、その後の動きが後手後手になってしまい、以下のアニメーションAのようにリズムの悪い泳ぎになってしまいます。

このアニメーションは縦に見てもらいたいのですが、まずA’は頭の中で理想のイメージを持っていますが、実際の泳ぎAは頭が遅れて動き始めています。(わかりにくい場合は右下の「1fps」ボタンを押してください。)そこで、アニメーションB’のように頭を少し早めに動かすイメージを持つ事で、アニメーションBのようにローリングに合わせた動きができるようになります。

ストロークと頭のタイミングが少しズレて遅れてしまうと、息継ぎを短くしなければいけなくなったり、娘と同じような状態に陥ってしまうので、ご自身でストロークのリズムをメトロノームのようにカウントし、タイミングがズレているようでしたら、遅れる場合がほとんどであると思いますので、いつもより早めに頭を動かすように気をつけて行きましょう。

レベル別の呼吸タイミング

ここで、初級、中級、上級のレベル別の呼吸タイミングを見てみましょう。ここで言う初級とは25mを泳げるが、45秒以上かかってしまう方、中級とは25mを30秒前後で泳げる方、上級は20秒以内で泳げる方で、いずれもそれほど頑張らないでも出せるタイムとします。

初級の方は「楽に泳ぐための息継ぎの形」で解説させていただいたように、とにかく大きく息継ぎができる事を目標にするので、腕の動きはできるだけ楽に真っ直ぐ動かす事が理想ですが、あまりストロークの形に重きを置いていません。

中級者は初級者よりも泳速が速くなるので少し体が浮いてきます。速度が速くなる分、ピッチも速くなり、ひっくり返る位体を開かなくても「しっかりと息継ぎができるようになっている」ので、自然にローリングの高さが初級者より小さくなりそれに合わせて息継ぎも真上を向かずにできるようになります。

上級者は中級者よりも泳速が速くなるので、もっと体が浮くようになり、ほぼ真横で呼吸することも可能になります。ただ、これは全力で泳いでいる時だけで、ゆっくり泳ぐ時には体は中級者程度まで開きます。アニメーションの下にオリンピック金メダリストがゆっくり泳いでいる映像がありますが、90度近くまで体が開いて息継ぎをしているのがお分かりになると思います。


 

管理人の泳ぎを比較しても、体の浮き具合(ボディポジション)、ローリングの大きさに違いがあるのがわかります。

このように、呼吸のタイミングはご自身のピッチ・泳速によって変わって行く事を理解していただきながら練習を進めて行っていただければと思います。

Youtubeでも解説させていただいております。