※最終更新日 2021年4月12日
今回からクロールでのタッチターン上達の為の練習方法を解説していきたいと思います。ターンは指導者にとっても教えるのが難しい事のひとつです。といっても同じレベルの方を段階的に教えられれば、それほど技術的には難しい訳ではないのですが、いろいろなレベルの方がいらっしゃると最初から10m程泳いでターンという練習が主になってしまいます。(大人を指導する際は、ここでレベル分けしてしまうとプライドが傷つく方もいらっしゃる可能性もあるため、なかなか難しいという側面もあります。)
ターンも泳ぎと同じで段階的におこなう方がいいので、ターン練習に入る前に今回の練習ができると綺麗なターンが習得しやすくなります。
そこで、今回は
1.壁に対して90°横向きになる
2.横向きで壁を蹴ってストリームラインを作る
この2点に付いて解説していきたいと思います。
タッチターンは、まず体を横向きで沈める事が前提になってきます。もし体を沈めてのスタートがまだできないという方は是非この機会に横向きのスタートを覚えてみてください。体を沈める感覚がわかるようになると、それも技術の1つになるので泳ぎの中でも応用できます。
アニメーションの1コマ目をみてください。体を進行方向に対して横向きにするわけですが、顔は前を向いています。この前を向く意味は前を泳いでいる人との間隔を確認するためで、それ以上の意味はありません。ですので、前方を確認した後は体の正面、もしくは少し後ろ側を見るようにします。ターンの際も目線は後方であることが基本です。実際にターン後に進行方向を見ることはありませんので、ターンに入る前に前を泳ぐ人との間隔を見極めましょう。
なぜ前方を見ないのかですが、立位で空を見上げようとすると体が反りやすくなることがわかります。水泳はなるべく体が反らない形を作る方が抵抗が少なくなるので、ターン中は必ず顎を引いておこないましょう。(前が見えずに怖い場合には壁を蹴る力をセーブし、前を泳ぐ人との距離感がわかってきたら、少しずつ強く蹴るようにしていきましょう。)
次に17コマ目を見てみましょう。壁に体を寄せているのがわかると思います。少し体が壁側に向いていますが、手を押しやすくするための動作になります。この時、体がどこにあると沈めやすいか、お腹を軸に回りやすいかを記憶しましょう。コツとしては、手を押しながら膝を引きつけて体を小さくすることで体が回りやすくなります。
タッチターンの途中で、この体の形を作る事ができれば、ターン後半はこの練習で習得した動作をおこなえばいいだけになります。
体を沈める事ができたら、その後は24コマ目のように壁を蹴る前の姿勢を作りましょう。体が壁に対して90°横向きにならないと、壁を強く蹴ることができませんので、真横を向けるように何度も練習しましょう。慣れてくると、少しの間体をこの位置で止めることができるようになってきます。それができると体を微調整できるので、壁を蹴り損なう事がなくなります。この時もしっかり顎を引いておきましょう。
横向きに沈めるようになったら実際に壁を蹴ってみましょう。以下のアニメーションを見てください。ストリームラインを作っている間は顎を引いたまま浮き上がりまでその姿勢を保っています。何度も練習していただいて、5mを蹴伸びだけで通過できるようになるといいですね。これは日頃泳いでいる最中に練習していただければいいので、泳ぎながら取り組んでいただければと思います。
壁をしっかり蹴られない場合は、最初のアニメーションの形が作れるように練習していきましょう。
体を沈める際に壁を押すと言いましたが、上手い人というのはあまりこの押す力は必要としません。体を沈める前に軽くジャンプして上半身を水面にあげ膝を抱えるように縮めると、上半身の重みを利用してヘソを中心に小さい円を描くように体が回転します。
この練習の目的は、体を沈めて横向きになった時に「しっかり壁を蹴られる形を作る」という事になるので、アニメーションの24コマ目をイメージしてこの形に近づけて行きましょう!