※最終更新日 2020年9月11日
今回は、バタフライを楽に泳ぐ上でのストロークの仕方とタイミングにについて解説していきたいと思います。
多くの方は、バタフライをマスターするためにS字ストロークや片手回しでストロークとキックのタイミングを合わせようとすると思いますが、「競泳のルールに従った楽な1000mバタフライ」のストロークは腕の形もほぼまっすぐにしたまま力を使わずに泳いでいます。このストロークがいいと言っているわけではありませんが、バタフライを楽に泳ぐためのポイントはどこにあるのかを以下の4つに分けで解説していきたいと思います。
1. ストロークの仕方
2. ストロークのタイミング
3. 腰痛予防に腹筋を意識する
4. バタフライが楽に泳げるようになる利点
最後の項目では、楽に泳げるようになった事で実際に管理人や娘が得た利点を解説しておりますので、最後までご覧いただければと思います。
初級者までの方は「ストロークする(掻く)ことで進む」というイメージを大きく持っている事が多く、「とにかく前から後ろへ。」とストロークしてしまいます。
入水後に速いストロークスピードで掻き始めてしまい、フィニッシュ付近で疲れて速度が落ちていってしまうのですが、このようにストロークスピードが初めから速いと体が立ち上がるのでフィニッシュ付近で腰が沈みやすくなり、ストロークスピードが落ちていくのでリカバリーで腕が挙がらず、腰を反って無理やりリカバリーするような悪循環になってしまいます。結果、全身に力が入り続けてしまいアニメーションAのようにロボットのような動きになっている方をよく見かけます。
バタフライをゆったり泳ぐにしろ、速く泳ぐにしろ、休める場所は前に手を伸ばした「グライドの時」だけなので、ここで休める余裕を持ちましょう。そうする事で体重移動もうまく使えるようになります。
では、どのようにストロークするかですが、「管理人のおすすめするうねりの大きいバタフライ」と「競泳のルールに従った楽な1000mバタフライ」のどちらも肩の前を通り過ぎてからストロークが加速していきます。楽に泳ぐために頑張り過ぎず、しっかり掻くというよりも「フィニッシュで最も加速して手を水面に抜く」事を心がけます。
フィニッシュ付近で加速する事で勢いを使ってリカバリーするのですが、腕は持ち上げるのではなくこの勢いだけを使います。回し方は陸上でおこなうとアニメーションのような形で、体の横を楽に戻します。とはいっても太ももの位置まで掻いてしまえば、リカバリーで前に戻す距離が長くなりエネルギーを消費してしまうので、「管理人のおすすめするうねりの大きいバタフライ」ではヘソ、「競泳のルールに従った楽な1000mバタフライ」ではみぞおち付近から腕を抜くようにしてリカバリーの距離を短くしています。
しっかりフィニッシュまで掻く事を大事にする指導者もいらっしゃいますが、リカバリーで水面を引きずってしまっては長く泳ぐ事ができません。バタフライは両手で同じ動きをするので、ストロークの意識がしやすく、楽に泳げるようになってから少しずつ後ろにストロークを伸ばしていく事も可能であると管理人は考えています。実際に管理人の娘はこの方法でバタフライが泳げるようになりましたし、同時に1掻き1蹴りでなるべく遠くまで行く練習を遊び感覚でおこなっていたことも良かったのかもしれません。
よくバタフライはストロークとキックのタイミングが重要といいますが、管理人的には第1キックがある程度タイミングよくできていれば、キックが強くなくてもバタフライは楽に泳げると考えています。実際に「競泳ルールで1000mバタフライを楽に泳いでみた」ではキックはほとんど力を入れておらず、入水時の体重移動の反動で打ち下ろしているような形です。とはいえ、タイミングが合えばキックをした方がいいに越した事はありませんので、そちらはまた次回以降に解説させていただければと思います。
バタフライをストロークする際、どのタイミングで掻き始めればいいかですが、管理人の考えるベストなストロークのタイミングは掻き始めではなく「フィニッシュに合わせる」です。この時「腰が水面に近い位置」になっていれば、リカバリーがしやすく、高い位置から体重移動ができるので推進力も大きくなります。
管理人はある程度深い位置からストロークを始めていますが、初級者の方はストロークが速くなってしまうので、若干グライドを長くして水面に近づいてから掻き始めるなど、自分に合った場所からストロークを始めてみましょう。ただ、頭を持ち上げすぎると腰が沈んでしまうのでギリギリ呼吸できる程度に体を水平に保つ事も必要です。
これも人それぞれタイミングが違ってくるように思いますが、ストロークが肩のラインを越える付近から体を起こすイメージを持つと体が立ち過ぎる事なく呼吸をおこなえます。
これらに気をつけながらストロークを始めるタイミング、深さを微妙に変え「1000mバタフライを泳いでも息が切れない泳ぎの極意」の4つのステップを1ステップずつ行っていただければと思います。
大人の方はある程度できると次のステップに移ってしまいがちですが、簡単にできるのであればコーチもこのような解説も必要ないので、とにかく焦らず根気よく1ストロークずつ長いスパンでストロークを作り上げて行きましょう。
バタフライという泳法は、アスリートレベルで肩が柔らかくないと腰が反ってしまいます。以下のアニメーションでは、腰に負荷がかかっている部分を色付けしているので、腰痛予防のためにも入水直後からしっかりと体幹を引き締め、腰はなるべく反らずに腕を水面にストレッチするように近づけて行くことを意識していきましょう。
腕を持ち上げる意識がアスリートのフォームに近づく事にも繋がります。具体的な腹筋の使い方については、バタフライだけでなく、他の3泳法でも重要な部分であると考えているので次回解説させていただきたいと思います。
管理人が1000mバタフライを泳げるようになったのは、なかなか時間がなく泳げなかった時に続けていたマラソンで腰痛気味になった際に「水泳でも長く楽に泳ぐ事は出来ないか。」と考えたのがきっかけでした。
体を流れていく水の感覚がとても好きで、初めてバタフライで1000m泳いだ後には欲が出て1650m、2000mと泳ぐ距離を伸ばし、多少疲れはあるものの気持ちよく泳げるのでエアロビックな泳ぎにのめり込んで行きました。
ある程度長く泳ぎ、ただ息が切れない泳ぎをしていただけですが体力も付き、肩もゆっくりですが柔らかくなってきました。今では、イメージする理想の入水に少しずつ近づいているのを泳いでいて感じますし、30代の頃は50mを泳ぐのもキツかったのですが、ある程度スピードを上げても200m程度であれば泳げるようになっています。
管理人の娘は2019年7月にバタフライが泳げるようになりましたが、先日(2020年8月)、私のバタフライを撮影している際に隣のコースで娘が自分で練習を決め、25m6回を45秒サークルで泳いでおりました。このところスイミングスクールでバタフライを集中的に練習していて、同じように25mを6回練習をしていた時、一人だけ全て両手回しで泳ぎきり、コーチから「今日の練習疲れた人?」と聞かれた時に娘だけ手を挙げなかったそうです。
これは、娘を自慢したいわけではありません。ほとんどの子供達は入水後の体重移動ができていない為に多くの回数を両手回しで泳ぐ事ができていません。もし、このまま片手回しばかりをやっている子供達と、その後の成長を比較した時に「1年間このまま同じように練習をし続ければどれだけの差になるか」を考えていただければわかりやすいのではないでしょうか。
今は100m個人メドレーのタイムがスイミングスクールの課題になっているのですが、娘がバタフライを泳げるようになった1年以上前から同じコースで練習している子供達をバタフライだけで言えば既に追い越しているのかもしれません。(記事最後のYoutube動画に25m×6回泳いだ映像を掲載しています。)
このように「体重移動ができていないフラットバタフライ」と「管理人のおすすめするうねりの大きいバタフライ」は練習の質にも差をもたらします。現に管理人自身も競泳ルールのバタフライで楽に1000mを泳げるようになったのは「うねりの大きいバタフライ」を泳げるようになった事が大きいと感じているわけです。
「腰を高く」して「勢いをつけてリカバリー」できれば、抵抗を受けずに水を乗り越えるように「体重移動」で体を進ませる事ができるので「楽なバタフライ」は誰でもできるようになります。一人でも多くの方に気持ちよくバタフライが泳げるようになっていただきたいと思います。
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