※最終更新日 2024年9月11日
今回は平泳ぎの水中スタートであるひと掻きひと蹴りと、このスタート動作をバタフライに応用するテクニックを合わせて解説させていただきたいと思います。
平泳ぎのスタートは特殊で、ひと掻きひと蹴りをして浮き上がります。これは競泳用のスタートになるので出来なくても問題ありませんが、とても気持ち良く水中を進めるようになりますし、やはり水中動作が上手ければ泳ぎも上手くなるので、ぜひ習得してもらいたい技術です。
管理人も以下の動画のように、なるべく遠くに浮き上がる練習を良くしておりました。現在は長距離しか泳ぎませんが、いつもプールの半分(12.5m)で浮き上がる事を目標にしながら泳いでいます。
これは、理想のひと掻きひと蹴りのアニメーションですが(「最初に戻る」ボタンを押してください)、基本的に前のめりの姿勢である事がわかると思います。平泳ぎの場合、水中動作が少ないので水平に壁を蹴ると体がすぐに浮き上がってしまうのでこのような姿勢を取ります。
壁を蹴って少しスピードが落ち始めた35コマ目から体を反り始め、ドルフィンキックを強く打ってから「ひと掻き」を始めます。管理人のイメージとしては、落ちたスピードをドルフィンキックで加速させ、それに乗ってタイミング良くひと掻きをおこないます。その後はスピードを落とさないようにキックをして浮き上がります。
2020年7月現在、200m平泳ぎ短水路世界記録を持っている「キリル・プリゴダ選手」の動画を見てみましょう。スタート(33秒付近)と125mのターン(1分45秒付近)で水中の映像が確認できますが、トップスピードであるにも関わらずかなり体を反ってからドルフィンを打っている事が分かると思います。
レースでも体をこれだけ反るのですから、抵抗を受けても大きいドルフィンキックを打つ事が体を進めて行く上で効率的であるという事を証明していると思います。
それにしても、前半100mをたった16回(25m平均4回)のストロークで57秒6。こういう泳ぎを見ると、いかにストリームラインが大切かがわかりますよね。
1年前に初めて平泳ぎを泳げるようになった娘も、ひと掻きひと蹴りを10m程度で浮き上がる事ができるようになっています。スイミングでは一度も教わっていないようですが、管理人の見よう見まねでプールで数回練習しただけでもできるようになり、スイミングでも平泳ぎを行った時に自分からひと掻きひと蹴りをするようになります。
この「ドルフィンを打ってからひと掻き」という構図は管理人が1000mバタフライを泳ぎ続けるために水中から浮き上がってくる時と同じでして、勢いよく入水した後、スピードが落ちた時にドルフィンを打ってスピードを回復させ、その勢いに乗ってストロークを始めるので、平泳ぎのスタートはバタフライの「水を掴むストローク練習」と「キックとストロークのタイミング練習」が同時にできてしまうという優れものです。
もし平泳ぎのキックができなくても問題ありません。ドルフィンをして1掻きまでができれば練習になります。
このような水を掴むテクニックというのは一瞬で身につくものではないので、感覚を掴む事に貪欲になると早く身につきやすいです。苦しい時には無理しない方がもちろんいいのですが「その苦しさがどうやったら取れるのか」を考えながら練習してみましょう。自分の持っている能力の少し上(多少苦しい)のレベルを続けて練習していくと少しずつ体が覚えて行くので、コツコツと積み重ねて行きましょう。
私などは、毎日微妙に変わる水の感覚(抵抗)を楽しみながら、いい感覚を頭に叩き込もうと頑張っています。悪い感覚の時は良く分からない事が多いので考えすぎず、いい時のイメージが消えないように気をつけています。
このように、いいイメージや体が気持ち良く進んで行く感覚を大切にして練習していきましょう!
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