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水泳 クロール スタートが上手いと泳ぎが上手くなる理由

※最終更新日 2020年7月8日

今回は「泳速とストロークスピードの関係」をグラフやアニメーションで比較しながら、なぜ「スタートの上手い人は泳ぎが上手いのか」その理由について解説していきたいと思います。

水泳 クロール 水中スタートが上手いと泳ぎが上手くなる理由

泳速とストローク速度の相関グラフ

以下は、泳ぐスピードとストロークのスピードを表した相関グラフになります。ストロークのスピードが上がっていくと、徐々に泳ぐスピードも速くなっていきますが、ストロークスピードがあるポイントを超えてしまうと、水を掴めなくなる(空回りして水を散らしてしまう)ため進むスピードも落ちていってしまいます。

以下のアニメーションはグラフにあるアルファベット部分の泳ぎをあらわしており、緑色の部分が「泳速とストロークスピードの差」になります。A,Bは両手とも表示していますが、Cはストロークが速いので右手のみ表示しています。

 

Bはストロークしている手が泳速の白ラインからあまりズレていないのがお分かりになると思います。つまり、大きな力で水を押しているわけではなく、水を散らさない程度の力で進んで行く事が出来ているという事になります。対してA,Cは、ご自身の泳速よりもストロークスピードが速い事で水を後ろに押しすぎているので、余計なエネルギーを使ってかつ、空回りするような形で水を散らしてしまっています。

一番の違いは「ストロークの初速」で、A,Cはグライド位置から一気に加速してしまう所です。理想はキャッチまでは腕を前に伸ばしながら水を包み込むようにハイエルボーを作り、一番力が入りやすい肩を過ぎてからしっかりと水を押す意識をする事です。

特にCはストロークの初めの段階(1〜5コマ目)で肩を壊してしまう危険性もでてきます。プールに入ってくるなり、いきなりCのような泳ぎの方が管理人の横を泳ぐのを見る事があるので、まずはゆったりと泳ぐところから始めていただければと思います。

スピードがないと水を掴めない?

水を掴むという感覚は、スピードがあり以下の画像のように「前面抵抗(赤)」が大きい程前腕に大きな水圧が掛かってくるので「水を掴む力(水色)」となって感じるわけです。

ですので、トップアスリートでもゆっくり泳げば、速く泳いだ時のような水圧は感じられません。ですが、必要以上に力を入れて掻いても無駄なことを知っているので泳速に近い速度でストロークします。それが優雅な泳ぎとなって現れるわけです。

この前面抵抗に勝つ程「水を掴む」ためには、スカーリングやハイエルボー、腕の角度やボディーポジションなどいろいろな要素が絡んできますが、スタートのスピードがあれば「水を掴む感覚を得られやすくなる」ので、壁を蹴ったスピードができるだけ浮き上がりまで落ちないように練習して行く事が重要になります。

上級者の泳ぎ始めの方法

上級者はプールの途中で止まった時にどうすると思いますか?イルカ飛びをして水の中に潜り、ドルフィンをしながら加速して浮き上がってきます。つまり、感覚的にそこからストロークするのは非効率だという事を知っているわけです。

もしその場で浮いてストロークした方が速いのであれば必ずそうすると思います。

このような、上級者のちょっとした違いを見つける事もご自身の上達につながっていくと思います。

次回は、平泳ぎのスタートを解説していきますが、このスタートが1000mバタフライを泳ぐ際のストロークとタイミングにそのまま使えるので、合わせて解説していきたいと考えております。

Youtubeでも解説させていただいております。

 

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